家族世帯
海外にもよく行く人
たとえば、割引なしの基本料金で比べるとahamo(20GB)は月2,970円、ワイモバイルのシンプル2 Mは月4,015円。数字だけ見れば「ahamoのほうが安い」と感じますよね。ところが、SoftBank光を使っている家庭でワイモバイルに乗り換えると、セット割(最大1,100円引き)に家族割(最大1,188円引き)が重なって、月額が一気に1,000円台まで下がることがあります。
この「割引による逆転現象」を知らずに契約してしまうと、年間で数万円の損をする可能性があります。本記事では、そういった見落としやすいポイントを一つひとつ丁寧に掘り下げていきます。
カタログスペックより「混雑時の速度」を見るべき理由
ahamoはドコモ回線、ワイモバイルはSoftBank回線を利用しています。どちらも国内トップクラスの通信インフラが土台にあるため、品質面での大きな差は基本的にありません。ただし、「どこで・いつ使うか」によって体感速度には違いが出てきます。
2024〜2025年の複数の実測データを参考にすると、通信が最も混み合う昼休み時間帯(12〜13時)ではahamoが平均約38Mbps、ワイモバイルが平均約28Mbpsという傾向が見られます。比較的余裕のある朝の時間帯(8〜9時)ではahamo約98Mbps、ワイモバイル約75Mbps程度です。いずれも動画視聴やビデオ通話に十分な速度は確保されています。
数値上はahamoがやや優勢ですが、実際の生活でその差を意識することは少ないでしょう。速度の優劣よりも、「自分のよく使う場所でどちらの電波が安定しているか」のほうが、ずっと重要な判断基準になります。
ドコモは国内で最も広いエリアカバー率を誇ります。山あいの地域や離島、人口の少ない過疎地では「ドコモだけ繋がる」というシーンが今でも存在します。地方への帰省が多い方や、登山・キャンプなどのアウトドア活動を楽しむ方にとって、ahamoのエリアの広さは無視できない強みです。
また、建物の中や地下でも電波が届きやすいプラチナバンド(700MHz帯)を全国規模で運用している点も、安心感につながります。
SoftBankは都市部の繁華街や大型ショッピングモール内での安定した接続に強みがあります。東京・大阪・名古屋などの主要都市で毎日生活している方には、日常のあらゆる場面で快適に使える環境が整っています。5Gエリアの整備も着実に進んでおり、対応端末を持っている方であれば都市部での高速通信の恩恵を受けやすい状況です。
率直に言うと、速度だけを理由に乗り換え先を決める必要はありません。どちらを選んでも、普通の日常使いで困ることはほぼないからです。大切なのは料金の仕組みや、自分の生活スタイルとの相性。次の章でその核心に迫ります。
「セット割があるかどうか」で判断が180度変わる
まず、2025年2月時点の基本料金を確認しておきましょう。
ahamoは月2,970円(20GB)の1プランのみで、大盛りオプション(+100GB)を追加すると月4,950円になります。オプションを付けなければ毎月一定額で、料金の計算がとてもシンプルです。
ワイモバイルはプランが3種類あります。シンプル2 S(4GB)が月2,365円、シンプル2 M(20GB)が月4,015円、シンプル2 L(30GB)が月5,115円です(税込・セット割なし)。20GBで比べると、割引なしではahamoが約1,000円安い計算です。
ところが、SoftBank光またはSoftBank Airとのセット割が加わると話が変わります。セット割で最大1,100円引きになったうえ、家族割(2回線目以降最大1,188円引き)まで適用されれば、シンプル2 Sは月1,000円台前半まで一気に下がります。ahamoにはこうした割引の仕組みがないため、家族が多いほどワイモバイルが有利になる構造です。
一人暮らしで固定回線をSoftBankで契約していない場合
この条件ならahamoが有力です。月2,970円でシンプルに使える設計は、余計な計算や条件を気にしなくていい気楽さがあります。ワイモバイルはセット割が使えない環境では相対的に割高になりやすく、ahamoに対する優位性がほとんど発揮できません。
通話オプションを追加したとしても(月1,100円増で4,070円)、使い勝手のシンプルさという点ではahamoに軍配が上がります。
家族でSoftBank光を使っている(または使う予定がある)
この条件ではワイモバイルが圧倒的に有利です。セット割+家族割が積み重なると、月額は大幅に下がり、ahamoとの差は月1,500〜2,000円以上になることも珍しくありません。年換算すると2万円超の差です。
「SoftBank光はすでに使っているので、スマホだけ安くしたい」という方は、ahamoではなくワイモバイルを選ぶのがほぼ間違いない正解といえます。
見落としがちなコストの違い
月額だけを比べて決めると、後から「こんなはずじゃなかった」となりかねません。特に通話まわりは要注意です。ワイモバイルの各プランには5分間無料通話が最初から含まれていますが、ahamoでは同等のオプションを付けると月1,100円の追加になります。かけ放題はahamoが月1,650円、ワイモバイルが月1,100円で、こちらも差があります。仕事の電話が多い方ほど、この差が月々の支払いに響いてきます。
MNP転入手数料はどちらも無料で、SIM発行手数料はahamoが433円、ワイモバイルはキャンペーン適用時に無料になるケースが多いです。
比較サイトのスペック表には載っていない「リアルな注意点」をまとめました。
①海外に行くならahamoが断然有利
ahamoは海外82カ国・地域で月20GBまで追加費用なしでデータ通信が使えます。年1〜2回の海外旅行でも、現地SIMの購入やポケットWi-Fiのレンタルが不要になります。
ワイモバイルは海外での利用に日額制の有料パックが必要です。10日間の旅行で数千円のコストが発生します。「海外旅行は年に1回あるかないか」という頻度でも、ahamoの無料ローミングは年間トータルで見るとじわじわお得感が出てきます。
②ahamoはリアル店舗での対応をほぼ期待できない
ahamoはオンライン完結を前提としたサービスです。ドコモショップに行っても、ahamoの手続きは対応できないと断られるケースがあります。スマホの操作が苦手な方、購入時に店員に相談しながら決めたい方、故障したときに店頭で対応してもらいたい方には、大きなハードルになります。
ワイモバイルはSoftBankショップを含めて全国に窓口があり、直接スタッフに相談できます。「いざとなれば店に行ける」という安心感が欲しい方には、ワイモバイルのほうが長く使いやすいでしょう。
③ahamoは余ったデータを翌月に持ち越せない
ahamoは使い切れなかったデータが月末にリセットされます。一方ワイモバイルは翌月への繰り越しが可能です。
テレワーク中心の月はほぼWi-Fiで事足りるけれど、出張や旅行の月はデータを大量に消費する。そんなライフスタイルの方には、繰り越しで調整できるワイモバイルのほうが実質的なコストパフォーマンスは高くなります。
④eSIM対応かどうかは事前に要確認
ahamoはeSIMに対応しており、申し込み当日からオンラインで開通できます。ワイモバイルもeSIMをサポートしていますが、一部の機種は物理SIMのみの対応となる場合があります。特にデュアルSIM運用を検討しているiPhoneユーザーは、乗り換え前に自分の端末が対応しているかを確認しておくことをおすすめします。
⑤ワイモバイルのセット割は名義の確認が必須
SoftBank光のセット割を適用するには、ワイモバイルの契約名義とSoftBank光の契約名義が本人または家族である必要があります。一人暮らしで親名義のSoftBank光を使っているケースなど、条件を満たさないと割引が受けられない場合があります。「てっきり割引になると思っていた」という落とし穴は意外と多いので、契約前に必ず確認しておきましょう。
5つの質問で自分のケースを診断する
順番に答えていくと、自分に合ったほうが自然と見えてきます。
ahamoが向いている人
- SoftBank光を使っていない単身者
- 海外への渡航が年1回以上ある方
- 毎月コンスタントに20GB前後使う方
- スマホの設定をオンラインで自己解決できる方
- 地方や山間部に頻繁に行く方
- 余計なオプションなしでシンプルに使いたい方
このうち2つ以上当てはまるなら、ahamoを選ぶのが賢明です。
ワイモバイルが向いている人
- SoftBank光・SoftBank Airをすでに契約中(または予定中)の方
- 家族まとめて乗り換えを考えている方
- 月によってデータ使用量が大きく変わる方
- 店頭でのサポートを重視する方
- 海外に行く機会がほとんどない方
- 5分間無料通話をうまく活用したい方
このうち2つ以上当てはまるなら、ワイモバイルが正解です。
細かいスペックを確認したい方向けに、主要項目を整理します。
| 項目 | ahamo | ワイモバイル |
|---|---|---|
| 運営会社 | NTTドコモ | ワイモバイル株式会社(SoftBankグループ) |
| 使用回線 | ドコモ回線 | SoftBank回線 |
| 月額料金(20GB) | 2,970円 | シンプル2 M 4,015円〜(セット割なし) |
| 大容量オプション | 大盛り+100GBで月4,950円 | シンプル2 L(30GB)月5,115円〜 |
| セット割適用後最安 | なし | シンプル2 S 月1,000円台〜 |
| 通話料金 | 22円/30秒 | 22円/30秒 |
| 5分無料通話 | 月1,100円(有料オプション) | 全プランに標準搭載 |
| かけ放題 | 月1,650円 | 月1,100円 |
| データ繰り越し | 非対応 | 翌月繰り越し可 |
| 海外データ通信 | 82カ国・20GB無料 | 日額制の有料オプション |
| 自宅セット割 | ドコモ光(一部条件あり) | SoftBank光・Air 最大1,100円引き |
| 家族割 | 非対応 | 2回線目以降 最大1,188円引き |
| 店頭サポート | 原則オンラインのみ | ショップあり(全国展開) |
| eSIM・テザリング | 対応 | 対応 |
| MNP手数料 | 無料 | 無料 |
| 5G対応 | エリア拡大中 | エリア拡大中 |
| 連携ポイント | dポイント | PayPayポイント |
「手続きが面倒で腰が上がらない」という方も多いですが、MNPワンストップ制度が定着した今、乗り換えはかなりスムーズになっています。以前のように「現在のキャリアに解約の連絡をしてMNP予約番号を取得して……」という手順は不要で、新しいキャリアの申し込みを進めるだけで番号をそのまま持ち込めます。
▶ ahamoへの乗り換え手順
dアカウントを用意する
ドコモユーザーであればそのまま利用可能。新規の方はdアカウント作成から始めます。
ahamo公式サイトから申し込み
本人確認書類のアップロードと支払い情報の入力だけで手続きが完結します。
SIMまたはeSIMで開通
物理SIMは2〜4日で届きますが、eSIM対応端末であれば申し込んだその日に開通できます。
APN設定を行えば完了
iPhoneはプロファイルダウンロード、Androidは手動入力で設定します。
▶ ワイモバイルへの乗り換え手順
SoftBankアカウントまたはYahoo! JAPAN IDを準備
既存のアカウントがあればそのまま利用できます。
ワイモバイル公式サイトかショップで申し込み
SoftBank光のセット割を適用したい場合は、申し込み時にアカウントの紐づけを忘れずに。店頭なら担当スタッフが一通り案内してくれます。
開通手続きでその日から使用開始
SIMが届いたらマイページまたはショップで開通手続きを行えばすぐに使い始められます。
月の初日に新規開通すると、旧キャリアの最終月の支払いを最小限に抑えやすくなります(多くのキャリアは月途中解約でも日割り計算なし)。また、各社がキャンペーンを強化するのは年度末(2〜3月)と夏(7〜8月)です。端末の割引やポイント還元を狙うなら、このタイミングを意識して動くとよりお得に乗り換えられます。
まとめ:自分の「生活スタイル」に合った方を選ぼう
SoftBank経済圏にいるかどうか
SoftBank光・SoftBank Airを使っているならワイモバイル一択に近い有利さがあります。
海外に行くかどうか
年1回でも渡航があるなら、ahamoの無料ローミングは長い目で見てかなりのコスト削減になります。
店頭対応を求めるかどうか
オンラインで完結できる方はahamo、実店舗での安心感が欲しい方はワイモバイルを選ぶと後悔が少ないです。
月に1,000円の差でも、5年間では6万円になります。少しの時間をかけて今の自分の生活環境を整理するだけで、その節約は十分に実現できます。

